マレーシアの治安は実際どう?外国人が気をつけたい犯罪と対策
全体的な治安レベル
外務省の危険情報(2026年6月更新)によると、マレーシア本土の大部分は危険レベルが発出されていないか、レベル1(十分注意)程度です。一方で、サバ州東側沿岸部(ランカヤン諸島周辺など)の一部地域は依然としてレベル2(不要不急の渡航中止)が継続しており、過去には身代金目的の誘拐事件も発生しています。
ポイントは「エリアによって治安レベルが大きく異なる」ということ。クアラルンプールやペナンなど日本人が多く住む都市部は、夜間の単独行動や人通りの少ない場所を避けるといった基本的な注意で、過度に恐れる必要はありません。
誘拐について
サバ州東側(リゾート地を含む一部島嶼エリア)では、過去に外国人を狙った身代金目的の誘拐・海賊事件が発生してきました。ただし2020年1月以降、同種の事件は確認されておらず、外務省も段階的に危険レベルを引き下げています。
KLCCやモントキアラ、バンサーなど日本人が多く生活する都市部での誘拐リスクは、この「海賊・誘拐」とは性質が異なります。都市部で注意すべきなのは、次に紹介する詐欺や強盗の方が現実的なリスクです。
気をつけたい犯罪・詐欺の手口
ひったくり・スリ
最も発生件数が多いのがこれです。バイクに乗った2人組が歩行者の肩掛けバッグやスマートフォンを奪って走り去る手口が典型的。人混みでは複数人に囲まれて財布を抜き取られるケースもあります。
対策
- バッグは車道と反対側(建物側)の肩にかける
- リュックを使う、または斜めがけにする
- スマートフォンは歩きながら操作せず、使用後すぐにしまう
偽警官詐欺・なりすまし詐欺
「警察」「政府機関」「企業職員」を名乗る不審な電話が多く報告されています。本物の警察官が電話で捜査対象であることを伝えたり、警察手帳の画像を送ってきたりすることはありません。路上で声をかけてくる「偽警官」がパスポートチェックを口実に現金を要求するケースも観光地周辺で発生しています。
対策
- 不審な電話は切る、要求には応じない
- 身分証の提示を求められても、その場で財布ごと渡さない
- 不審な番号・会社名はマレーシア国家警察のサイト(semakmule.rmp.gov.my)で確認できる
いかさま賭博詐欺
「家族が日本に留学している」などと親しげに近づき、レストランや知人宅に誘われ、複数の共犯者が仕込んだ賭博に参加させられ、大金を要求される手口。マレーシアでは賭博自体が違法なので、どんな理由であれ誘いには応じないことが鉄則です。
オンライン投資詐欺
インスタグラムやLinkedInなど、SNS経由の投資勧誘が近年急増しています。2025年の被害額はマレーシア国内で過去最多の14億7,000万リンギットにのぼるとされ、在留邦人も無関係ではありません。
対策
- SNS上で知り合った相手からの「必ず儲かる」投資話には乗らない
- 聞いたことのない投資アプリ・サイトへの送金は避ける
ロマンス詐欺
「軍医」「国連職員」などを名乗り、恋愛感情を利用して「紛争地からの脱出費用」などの名目で金銭を要求する手口。WhatsAppやFacebook経由の接触が多く、一度も直接会ったことのない相手というのが共通点です。被害者の約75%が女性とされています。
対策
- 直接会ったことのない相手からお金の話が出たら、即座に警戒する
- 感情的に親密になっても、送金前に一度立ち止まって家族や友人に相談する
偽サイト詐欺
マレーシア入国時に必要な「デジタル・アライバル・カード」の偽サイトも報告されています。入国関連の手続きは必ず公式サイトか正規の代行業者経由で行いましょう。
タクシー・ぼったくり
メーターを使わず高額請求する悪質なタクシーも一部存在します。配車アプリ「Grab」を使えば、料金が事前確定するためトラブルを大きく減らせます。
日常でできる基本の対策まとめ
- バッグ・スマホの持ち方を工夫する(車道側に持たない、使用中は油断しない)
- 知らない人からの急な好意・誘い・送金依頼には即座に乗らない
- 不審な電話・メッセージは家族や警察、在マレーシア日本国大使館に相談する
- 3か月以上滞在する場合は在留届を、短期の場合は「たびレジ」への登録がおすすめ
- 夜間の人通りの少ないエリアでの単独行動は避ける
マレーシアは外国人にとって暮らしやすい国である一方、「治安が良い=無防備でいい」という意味ではありません。特に詐欺は手口が年々巧妙化しており、「自分は大丈夫」と思っている人ほど油断しがちです。正しい知識を持って、安心して暮らせる環境を作っていきましょう。
